人間はどんな境遇にあっても、尊厳を失ってはならない。
という強いメッセージを受け取ると共に、
福祉や公共のサービスの在り方について考えるきっかけとなるような
教訓に満ちた映画であった。ある意味で研修等の教材としてふさわしいかもしれない。

以下ネタバレあり。
この映画を観て、
上述したようなメッセージを受け取るのも、福祉、制度について考えるのももちろん素晴らしい事なのだが、
そこから一歩踏み込んで、自分ならどうするかと考えてみるのも大事な事のように自分は思う。
劇中のダニエルの行いはもちろん尊く、周囲の人間の心を打った。
だが結果として、命を落とし、周囲を悲しませた事は残念な事である。
やはり、命を繋いで周囲の人間と共に生きていく事を目指すために、
ダニエルを反面教師として生きていく考え方も我々には必要なのではないだろうか。
ダニエルは自分の家財を売らなければならないほど困窮していても、周囲の助けに頼らなかった。
それは、とても高潔で立派な事であるが、反面悲しい事でもある。
周囲の人は頼られる事に不満等なく、むしろ望んでいたに違いないのだから。
体を休め、病気の療養に専念する事が彼には何より必要だった。
生きる事が全てではない、だが生きて繋がる明日もある。
この映画はそういう所まで考えさせてくれる強さを持っていた。
自分はこうした生き方に影響を与えてくれるような作品を好むし、万人に観られて欲しいと常々思う。
おまけ
やはりお役所も仕事なのだから、冒頭の質問要綱が的外れであっても、
真摯に答えていれば状況は激変したかもしれなかった(それじゃあ映画にならないですが)。
やはりお上に逆らうものではないですね(台無し)。冗談ですが、そういう事も含めて教訓として活かしていこうという気持ちになりました。
あと子役の女の子が可愛かったです。
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