今回は、実際に挿げ替え改造した際の工程を順を追って紹介しながら、普段自分がどんな方法で改造を行ってるかという事を解説したいと思います。
今回は可動フィギュアのボディを使った改造を解説します。
固定フィギュアの解説はこちら
>>関連記事 【SUGEKAE】 私的 挿げ替え 改造 解説 〈固定 フィギュア ボディ〉
※注意
解説を参考に改造をする場合は、自己責任で行ってください。
失敗等の責任は一切負えません。
また、挿げ替え改造の過程を紹介すると、必然的に頭部を切断しての加工になってきますので、フィギュアといえど抵抗があるという方には閲覧をお勧めしません。
一応の完成品↓
最近入手したワールドコレクタブルフィギュアの未来 孫悟飯の頭部が、最近の傾向でディフォルメが弱めだったので、改造の手始めに、とりあえずフィギュアーツのアルティメット悟飯の体に挿げ替えてみるかという事で、改造してみる事にしました。
切断前のフィギュア
今回の頭部は、可動フィギュアに取り付けるつもりなので、切断の角度は特に気にせずに元の分割のラインに沿って切断しても問題ないと思い実行しました。
仮に、非可動のフィギュアの体に取り付けるのを想定した場合は、できるだけ体側と同じ角度で切断するのがいいと思います。
さらに他のフィギュアを切断する場合もある程度同じ角度を徹底する事で、挿げ替えの汎用性が上がり、スムーズに挿げ替えれるようになります。自分は試行錯誤の後、かなり浅めの角度で統一するようになりました。
今回取り付けるフィギュアーツ アルティメット悟飯の体
まず頭部を重ねてみて、ある程度の完成形を想像する。
加工前の時点で合いそうか、そうでないかはだいたい分かります。
頭部がディフォルメが強い感じなので、若干の違和感もありますが、そんなに変な感じにはなりそうにないという印象だったので、続けていきました。
それではここから順を追って解説していきたいと思います。
〈挿げ替え改造手順〉
1.開口
まず、あまり考えずにおおまかに彫刻刀で掘ります。
彫刻刀は刃が鋭すぎず、あまり掘れない物の方が調整がしやすく、加工に向いていると思います。
体側のジョイントの中心のラインにリアルタッチマーカーやネオピコ3のような汚しに使うペンを付けて、
頭部を体に当てがい、押し付けて、ジョイント側についたマーカーを頭部側に残します。
印のついた部分がおおまかな体との接続点、ガイドとなります。
基本的に体側の接続するジョイントは前後に可動するものが多いため、開口する位置もある程度前後しても大丈夫だと思います。
それより重要なのは顔の中心を通ってるかの左右のラインや、まっすぐ軸を開けられるか等の要素なので。
体のジョイントが可動しないボールジョイント等の場合は、ここでの位置はもう少し重要になってくるので、少し念入りに調整してもいいかもしれません。
ついた印が薄い場合、スミ入れペン等で印を濃くして見やすくします。
体側ジョイントにぼかし系のペンを付ける際、例えば青等の色を使うと頭部側に押し付けた時ハッキリ見やすいんですが、場合によってはジョイント側に色が沈着して残ってしまう事があるので、その際結構目立ってしまいます。
そういう事もあって、自分は残ってもあまり目立たないブラウン系、できれば薄いものを使い、その後にスミ入れペンで印を濃くするという風にしています。
次に穴を開けていきます。
最初に先ほどペンで印をつけた箇所に、先のとがったビットをつけたリューターを使い、この後掘り進めるアタリを付けるために少し掘ります。↓が使用したリューターとビットです。
この時のリューターに勢いは不要なため、最低のトルクにしています。
ある程度の値段のする機種の方が弱いトルクを出すことができるので落ち着いて加工でき、失敗が減るのでお勧めです。
リューターで穴のアタリを付けた後、ピンバイスで穴を広げます。
この時、最終的に必要な径のドリル(ここでは2.7㎜)だけで開口してもいいのですが、自分はどうも失敗しがちなので、保険もかねて、小さい径のドリルで刻むようにしています。
よく使うドリル径の0.9㎜、1.8㎜、2.7㎜の3つを用意して、小さいものから順に使って穴を開けていきます。0.9でおおまかなガイドを掘り、1.8で軸を意識してだいたいの穴を開け、2.7で穴を広げて仕上げるという感じです。
この時に大事なのは、穴を開ける軸をずらさない、頭部の中心のラインにまっすぐに穴を開けるという事です。
ここで曲がると顔が曲がってしまったり、接続がうまくいかなない、穴を開け直す必要ができたりして接続が甘くなったりという事が起こります。
今回の場合、0.9mmはほどほどでいいと思いますが、次の1.8mm、最後の2.7mm径の時はしっかり軸を意識して開口する必要があります。
開口にリューターのドリルを使ってもいいですが、まっすぐに穴を開けるのが難しく穴が大きくなりがちなのと、繊細な箇所では突き破ってしまうミスが起きやすいので、ピンバイスの使用をお勧めします。
ABS等の固い素材には逆に手ではうまく開口できない場合がありますので、リューターやドリルの使用をお勧めします。
2.接続と調整
穴が開けられたら、実際に接続してみます。
今回接続するジョイントは3㎜のボール球だったので、2.7㎜の穴に接続できました。
まだだいぶ首と頭部の間に余白があり不自然なので、頭部側を掘り、さらに深く接続する必要がありそうだと分かります。
ここからは彫刻刀で徐々に掘り進めながら取り付けを繰り返して、バランスを見ながら調整していきます。
上でも書きましたが、特にこの時の彫刻刀の刃は鈍いもののほうがやりやすいと思います。
掘っていく過程で、ドリルで開ける方の穴も短くなるので、さらに必要になってきたらまた2.7mmで穴を掘ります。
この時すでに穴の軸が作れてるため、掘り進める軸はさほど意識せず行えますが、今度は穴を掘りすぎて頭部を貫いたりしないように気を付ける必要があります。
(もし、フィギュアを貫きそうになったとしたら、ジョイント側を切断して短くしたり、別のジョイントを用意する等して、対処する必要があります)。
加工を続けていると、かなり掘る箇所が深くなっていき、首を頭部の内側に入り込ませるために、後頭部の造形を削り込む必要がでてきました。
可動フィギュアの場合は特にですが、後頭部等はあまり見える事のない箇所なので、削ってもそれほど見映えに影響しないと思います。
これは市販のフィギュア等でも応用ができる事で、上を向くポーズがとらせにくい場合等、後頭部や干渉する首を削る事で上を向かせやすくなります。自分もたまにやります。
3.一応完成
付けて外してを繰り返して、一応こんなもんかなと言う感じになったので一旦様子見。
まだ首が長い気もしますが、気になったら少し掘って埋めようかなと思います。
削るのは簡単ですが、足すのは面倒が多いので慎重にやった方が無難。
・ポージング
ポーズを付けて、あごを引かせると違和感は減るので、とりあえずこれで様子見してみようかなと思ってます。
・まとめ
自分のブログも結構記事も増えてきたので、一応ハウツー的な解説記事を書いてみました。
完全に我流ですし、分かりやすいかと言うとそうも思えませんが、何か応用できそうな所をみつけて取り入れてもらったり、実際に挿げ替え改造に挑戦してもらえたり、また、その助けになれば幸いです。
以上
【SUGEKAE】 私的 挿げ替え 改造 解説 〈可動フィギュア ボディ〉でした。
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